2026.05.15
AIは子供の創造性を殺すのか?
執筆: 輪廻タヲ ・ AIを活用した音楽・イラスト・映像作品を制作するコンテンツクリエイター

「小学3年生の娘が、自分で描いた絵をChatGPTで3D化した」
というポストに対し、
「子どものデザイン能力や造形的自発性を潰す最悪の行為」
という、センセーショナルな引用ポストが、大きく話題を呼んでいます。
大河原あゆみ @AyuO419
小学3年生の娘が、自分で描いた絵をChatGPTで3D化した話。
松村文夫 @matu1004
【かなり緊急】引用の行為は子どものデザイン能力や造形的自発性を潰す最悪の行為だから(美的感覚を破壊する行為だから)、子どもの感覚や自発性を育てたい親は絶対真似しちゃいけない行為です。
結論から言うと、彼の主張は全体的に、AIを使うことへのネガティブなミスリードが展開されている文章だと感じました。
私はAIアーティストとして、音楽やイラストを発信しています。
「AI」と一言で言っても、その機能や使われ方は様々ですので、今回はAIクリエイティブの当事者である私の視点で、この問題について私見を述べたいと思います。
小学3年生にAIを使わせることが、その子のクリエイティブに悪影響なのか?
「AIが、子供の手を動かす原体験や失敗する機会を奪ってしまう」
今回の主張を一言で表すと、このようなことなのかな、と思います。
一見、一理あるようにも感じますが、このポストの場合、それ以外の場面で、その子がどのような生活をして、こうしたクリエイティブにどの程度、どんな風にかかわっているかもわからない。
その前提の中で、この行いを全否定することは非常に極端で視野の狭い主張だと感じました。
AIを使うか使わないか、ではなく、どちらもバランスよく学ぶことが必要です。
AIがこの先の時代、当たり前の存在になっていくことはほぼ必然です。
もちろん、クリエイティブの世界にも、AIを使ったアプローチは増え、今までのあり方を現在進行形で変えています。
新しい時代に、その子が適応するために、AIに触れることはとても重要です。
同時に、自分の手で絵を描き、失敗し、試行錯誤して作り上げるプロセスも、同じくらい大事です。
伝えるべきは、大人が「この新しい技術によるブレイクスルーをどう扱うべきか」を学び、理解し、管理できるようになることではないでしょうか?
原体験を持たない子供には、AIを規制すべきなのか?
知識も技術もない子供に、「AIが全部やってくれるよ」とChatGPTを渡せば、子供はそれに頼るようになります。
それが繰り返されれば、「なんでもAIが解決してくれる」と考えるようになり、子供は思考すること、手を動かすことをやめてしまうでしょう。
スティーブ・ジョブズが、子供にデジタル機器の使用を制限していた、というエピソードも、意図はこれと大きく違いません。
何も知らない子供には「自分の五感で触れ、体験すること」が一番重要だと感じます。
ただ、今回の子の場合、お母さんがメタバースコンテンツを扱っていて「お母さんのVRChatに入りたい」がキャラクターを作る動機になっています。
この子に0からCGを学ばせていたら、その過程でこの子はこの作業に飽きていたかもしれません。
この子にとっては、AIを活用して自分のキャラクターを3DCGとして動かせたことが、成功の原体験となり、創作意欲を加速させた可能性は大いにあります。
AIはどんなときも、その指示に対して「平均点」を提示します。
独創性があるアウトプットをさせるには、指示の出し方にもテクニックが必要になります。
それは、原体験から得られる知見とは全く別に、学ばなければいけないことです。
AIによる悪影響がある側面は、AIが大きく普及した際に社会問題化し、ある程度の規制も生まれると思います。
AIを、努力を怠る道具として使うのは良くないこと。
自己実現のために、自分の実力を補うためにAIの技術や知見とともに取り組むことは、良いことであると、私は考えます。
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@TaoRInne をフォローするAIアンチによるプロパガンダ
今回のケースでは、ポストの中では何も建設的な話し合いがなされていません。
すべての発言は個人の主観に基づくものであり、何の検証もなく、示せる根拠も何もないのです。
結局、今回のようなケースは、潜在的に一定の人が抱えている「AI=悪」という感情に人々を扇動するプロパガンダでしかない、というのが私の結論です。
AIの中身については何も話し合われることはなく、AIであれば全てダメ、という二元的な善悪でものを判断され、流布されています。
新しいテクノロジーによって技術的なブレイクスルーが起これば、旧来の価値観の人から拒絶反応が生まれるのは当たり前。
そう言う意味では、時代が進む過程に起こる「産みの苦しみ」の中に我々はいるのかもしれません。
AIによるクリエイティブの魅力を多くの人に知って欲しい
私は「輪廻タヲ」という名前で、AIアーティストとして活動しています。
AIで製作したイラスト、音楽、ミュージックビデオを公開しています。
先日は「M3」というイベントで、作品をデザインブックとして出版、頒布いたしました。
すべて、AIを使って制作されたものです。
「弘法筆を選ばず」
AIもあくまでツールの一つに過ぎません。
いろんな楽器があるように、いろんなDTMのソフトがあるように、AIにも種類があり、良いも悪いもあります。
ぜひ、AIに先入観を持たず、実際にAIを使ったイラストや音楽、動画作品に触れてみて欲しいです。
新しいクリエイティブを作るテクノロジーが、旧来の価値観によって「悪」と決めつけられる内容を見過ごすことはできないと思い、この記事を書きました。
AIの数々の素晴らしいテクノロジーが、歪んだ先入観を乗り越え、人々の生活やクリエイティブの発展に寄与することを願います。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。
輪廻タヲ / Rinne Tao
AIを制作に活用するコンテンツクリエイター。音楽、イラスト、映像作品を中心に発信しています。
最新作品やAIに関する考察はXで発信しています。
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