2026.02.27
「個人クリエイター等権利情報登録システム」について、文化庁に電話して確認。読めば全部わかります
執筆: 輪廻タヲ ・ AIを活用した音楽・イラスト・映像作品を制作するコンテンツクリエイター

2026年2月26日から開始したこのサービス。
「フリーランスの個人クリエイターを守る!」みたいなイメージですが、プレスリリースを見れば見るほど、これが私にとって必要なシステムなのか?という点がわからなくなりました。
この記事では、私が疑問に感じた点を、文化庁に全部電話で質問して確認してきましたので、その内容を要約します。
- これからの新規クリエイターにとって、必要な制度なのか?
- どんな制度で、どんなメリットがあるのか?
という点をお伝えできればと思います。
いわゆる登録の仕方、といった操作HowToはこの記事では説明しません。
この制度を理解するためにお役に立てていただければ嬉しいです。
自分の作品を「未管理著作物」にさせないための防波堤
2026年4月から「未管理著作物裁定制度」というものが始まります。
これは、「権利者の意思が確認できないコンテンツを、文化庁に補償金を支払うことで、合法的に使用できるようにする制度」です。
例)大企業が、ネットで見つけたイラストをCMに使いたいと考えた。
作者に連絡したいが、連絡先がない。
または連絡しても14日間返事がない。
従来は使えませんでしたが、新制度では「未管理著作物」として文化庁の裁定を受ければ、合法的に使用できるようになります。
つまり、私たちがネットにアップした作品も、連絡先や利用ルールを明記していないと「未管理」とみなされ、知らない間に合法的に使われてしまう可能性があるのです。
それを防ぐために、「私の作品はここで管理しています」「無断使用は禁止です」と意思表示をするのが、今回の登録システムの一番の目的です。
「JASRAC」のような、権利管理や徴収のシステムをもった制度ではない。
この制度はあくまで「コンテンツ保有者が意思表示をする」「コンテンツを使用したい人が円滑に権利保有者とコンタクトを取れるようにする」ためのツールです。
以降の金額交渉や、金銭のやりとりは個人間で行われ、トラブルが生じても、それにこの機関が介入することはありません。
権利者と依頼者をつなげる「電話帳」の役割を果たします。
システムの利点
①コンテンツを登録する側のメリット
- 自身の作品が「未管理著作物」として意図しない形で利用されるリスクを防げる。
- このシステムが利用者側からの連絡動線となるため、法人向けにコンテンツを営業する窓口になる。
②システムを使用するメリット
- この制度が一般化することで、コンテンツを使用するときに、権利者を探すのが容易になる。
- 連絡が取れない未管理著作物を公に使用することができるようになる。
要約
このシステムは一言で言うと「作品を勝手に使われないようにする意思表示ボード 兼 クリエイターの電話帳」のようなものです。
例えば、BGMや特定のイラストを自分のコンテンツで使いたいという法人や大手メディアがいる時など、このシステムにアクセスすれば権利者や連絡先がわかる、となれば一定の需要は発生すると思います。
国家事業という点でも、積極的に登録しているクリエイターの信頼性は高いと評価される可能性はあるとおもいます。
ただし、このシステム自体が著作権料の徴収代行をしてくれるわけではありません。
あくまで、コンテンツに対する意思表示と連絡先を紐づける存在、という認識を忘れないようにしましょう。
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@TaoRInne をフォローする文化庁に電話で問い合わせたQ&A
Q:特許申請と同様に、不当に他者のコンテンツを登録する人が現れるのではないか?
A:アカウント登録時に、アカウントはマイナンバーと紐づけられている。
もし、登録内容に虚偽が発覚した場合は、内容に応じて法的処置がとられる可能性がある。
Q:「活動名」と本名が異なる場合はどうする?
A:登録名と表記名を分けることができます。
Q:システムを経由した取引でトラブルが発生した場合はどうする?
A:登録の虚偽などが原因の場合は、システム運営側が介入することがある。
それ以降のトラブルは、当事者間のこととし、システム運営側は介入しない。
Q:このシステムは、個人クリエイターの権利を保護するためのものではない、と私は理解しています。あっていますか?
A:JASRAC等のような権利保護・管理(徴収代行など)を目的としているシステムではありません。
しかし、著作物の利用可否の意思を表示することで、意図しない利用を防ぐという意味での保護には繋がります。
Q:権利管理を行うには別のサービスにも登録する必要があり、二度手間になるのでは?
A:「分野横断権利情報検索システム」では、著作権管理団体などに登録されているコンテンツを統括して検索できます。
大手の管理団体に管理を委譲する場合は上記を、個人で管理・意思表示する場合は「個人クリエイター等権利情報登録システム」を使用してね、という認識になります。
最後に:AIクリエイターとしてはどうなのか?
私の所見です。
AI系の制作は「技術を仕事にする」「自分でコンテンツを発信し、地位を築く」のどちらかになることがほとんどですが、ほとんどがSNSなどネットのプラットフォームでプロモーションが広がるので、例えば自治体とか、国とか、大手企業とか、ネットと縁遠い人々には情報が届きにくいです。
こういうシステムって一定の層が使ってたりするんで、そういった層に営業する目的でコンテンツの連絡窓口としてコツコツ登録しておく、というのは、悪くないんじゃないかと思います。
派手さはないですが、実務的な仕事が動きそうな匂いはするな、と思いました。
今回の記事は以上です。
皆様のお役に立っていれば、幸いです。
輪廻タヲ / Rinne Tao
AIを制作に活用するコンテンツクリエイター。音楽、イラスト、映像作品を中心に発信しています。
最新作品やAIに関する考察はXで発信しています。
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